case_180 左踵痛

体育のときに左踵が痛くなって痛みが続いています

整形外科専門医であり国際マッケンジー協会認定セラピストでもあるがどのようにマッケンジー法による患者さんの評価・治療を行うのかをご紹介するマッケンジー法・症例ファイル。
今回は踵が痛くて来院した10代のお子さんのお話です。

10日ほど前に体育の時間に左踵が痛くなりました。状況を思い出してもらいましたが、ぶつけたりひねったりした覚えはないようです。
それからというもの、体育で走った後に同じように痛くなるのですが、不思議なことに、走っている間は痛くありません。
ジャンプするときも痛くないのですが、ジャンプした後などに痛くなります。
現在は全く症状がない状態です。
診察室であれこれと試してみましたが、左踵でのけんけんでも症状は全くありません。

座っている姿勢をみると、最近のお子さんによく見られる猫背です。
姿勢矯正保持をしばらくつづけても、全く症状なしの状態は変わりません。
腰椎の可動域には制限もありません。

座ってしっかりと負荷をかけて腰椎の屈曲をしても、逆に腰椎の伸展をしっかりとやってみても踵の症状は再現されません。

(FISit w/op、EIS、EIL w/sag NE)

現在は症状がまったくないため、走っているときはなんともなくて走った後などに痛くなるというヒントをもとに、姿勢を整えることとしっかりと腰を伸展するエクササイズを宿題にしてみました。

それから3日後。
完全に良くなったようです。体育で走っても、その後に以前のような痛みは全く出なかったようです。
お約束のエクササイズは比較的こまめにできたようで、姿勢も学校の授業中など少し意識できているとのこと。
姿勢を整えることは続けて、エクササイズも朝夕程度続けていくようにおすすめしました。

今回は診察時には症状がないばかりか、負荷をかけても再現すらできない左踵の痛みでしたが、症状の起こるタイミングと猫背の状態をあわせて伸展方向の宿題を出して、その結果、症状は速やかに消失してしまいました。

では症状が変わらなかったら?
あるいは症状が悪くなったら?

そのような場合は、患者さんのエクササイズのやりかたをチェックしたり、実施状況を確認したりして、そのやり方を修正することもありますし、エクササイズのやり方に何も問題なければ別の方法に変えることもあります。

マッケンジー法ではこのような患者さんからのフィードバックにより次にやることを決めていく、いわば症状改善のための共同作業を行っていきます。