右踵の痛み、指で押すと痛い場所があります
整形外科専門医であり国際マッケンジー協会認定セラピストでもある私がどのようにマッケンジー法による患者さんの評価・治療を行うのかをご紹介するマッケンジー法・症例ファイル。
今回は右踵(かかと)の痛みで来院された30代、女性のお話です。
実は踵の痛みで来院する患者さんは少なくありません。それも、打ったり捻ったりというケガらしいこともしていないのに、いつからかはっきりしないような痛み方のことが多いようです。
踵の痛みと言えば、足底腱膜炎などの診断名が思い浮かぶ方もいらっしゃると思います。
お仕事は朝から夕方までほとんど座りっぱなしの事務職です。4日ほど前から思い当たることもないのですが、歩いている時に右踵が痛いことに気づきました。歩行時に痛いことはもちろんですが、踵の内側に、指で押しても痛い場所があります。座っているときなど体重が乗っていないときは症状はありません。
痛みはそれなりに強く、踵を押すときに5点(考えうる最大の痛みが10点満点として)はあるようです。
姿勢を確認すると、やや猫背の姿勢が悪い状態です。姿勢を矯正して保持すること1分。
踵の痛いところをもう一回押してみてもらえますか?
んっ?……さっきより少しいいかも
実はこの程度の改善ではまだ方針は決まりませんが、症状が変化する可能性が感じられます。
腰椎の可動域をチェックします。年齢の割に硬いのですが、腰痛もなく、踵に響くこともありません。
日常生活の情報に姿勢矯正の反応などを加味して伸展からチェックすることにします。
若くてお元気な方ですので、まずは立ったまま腰をそらしてみます。
万一ふらつかれたときのために横に寄り添って声をかけながらまず一回。
問題ないことを確認して続けて10回。
踵の痛みを確認してもらうと、少しいいかもという感じです。
(反復EIS 10回 B?)
この程度ではまだ方向性の確信は持てませんのでさらに続けます。
今度は流し台に腰を当ててさらにしっかりと10回。
踵の痛みはどうですか?
さっきよりも軽くなったような感じです
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(このお話は続きも含め、イラストや解説付き電子書籍でご覧いただけます)
このお話は電子書籍の自著「マッケンジー法・症例ノート・#31」でご紹介しております。
ご意見の多かった、「動き方がピンとこない」とか「専門用語がわかりにくい」などといったことに配慮し、動き方をわかりやすくイラストにして配置し、専門用語についても、可能な限りそのページ内の欄外に配置してページをあちこち探さなくても読み進められるようしています。
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