転んで打った後に左肩に痛みを覚えるようになりました
整形外科専門医であり国際マッケンジー協会認定セラピストでもある私がどのようにマッケンジー法による患者さんの評価・治療を行うのかをご紹介するマッケンジー法・症例ファイル。
今回は打撲後に続く左肩痛のため来院した60代女性のお話です。
実はこの方、昨年末に両膝が痛くて当院を受診したことがあります。この治療経過は今回割愛しますが、腰椎の伸展エクササイズで完治しました。
これまで症例ファイルをご覧頂いている皆様にはもう珍しいことではないと思いますが、膝の痛みのために来院した患者さんで腰椎のエクササイズのみで症状が改善する人は少なくありません。
このご自身の経験もあったので、今回、左肩の痛みについてもかかってくださいました。
患者さんに信頼されるというのはなんとも嬉しいものです。
さて、1週間ほど前、40cmほどの段差を踏み外して転倒し、その際に左肩と左臀部を打って受傷しました。
その時は忙しくてそれなりに動けていたようですが、2日前から左肩の痛みが強くなり、自分ではこの程度でとは思ったものの、ご家族の強いおすすめで来院しました。
単純X線写真では骨折などの外傷による変化は認めません。
左肩の症状ですが、マッケンジー法での評価は……そう、頚椎からですね!
頚椎の可動域を確認します。顎を前に出す動作と下げる動作で首の左側後方に突っ張り感を覚えます。
左手を前方から上げる時4点(考えうる最大の痛みが10点満点として)、横から上げてると4点、後方に手を回して手の甲を背中につける動作をしたときの痛み6点があります。
何度か動かしていただき、同じ程度の痛みが毎回あることを確認します。
座った状態で姿勢を確認します。
今座ってる姿勢は人前だから意識した姿勢ですか、それともいつもこう?
以前指導してもらってから、いつも意識してますが、ときに、だらりとなると、いけない、いけないと、またできるだけ姿勢を意識するようにしています
たしかに背筋はのびていますが、顔が少し前に出ている状態です。
この点を矯正してみます。顎を引くポイント説明して姿勢を矯正した状態で保持すること1分。再び左手を上げていただきます。
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(このお話は続きも含め、イラストや解説付き電子書籍でご覧いただけます)
このお話は電子書籍の自著「マッケンジー法・症例ノート・#24」でご紹介しております。
ご意見の多かった、「動き方がピンとこない」とか「専門用語がわかりにくい」などといったことに配慮し、動き方をわかりやすくイラストにして配置し、専門用語についても、可能な限りそのページ内の欄外に配置してページをあちこち探さなくても読み進められるようしています。
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