腱板断裂がある右肩の痛み、バドミントンは出来ないのでしょうか
整形外科専門医であり国際マッケンジー協会認定セラピストでもある私がどのようにマッケンジー法による患者さんの評価・治療を行うのかをご紹介するマッケンジー法・症例ファイル。
今回は右肩の痛みがあるバドミントンの大好きな40代女性のお話です。
バドミントンが好きという方は比較的多くいらっしゃるのですが、この方は競技レベルでバドミントンをする方です。
これまでにもバドミントンをする方を何度かご紹介したことがありますが、その中のお一人がこの方のバドミントンの指導をしていた関係でご一緒に来院されました。
昨年の9月ころ、バドミントンの試合前に通常よりハードに練習をした後に右肩が痛くなりました。それから2週間ほどした頃には夜寝ているときにも右肩が疼いて目覚めることもあり寝不足になったようです。
医療面接で得られた情報からは特にレッドフラグなどありません。
さすがにバドミントンのラケットを振っているだけあり、右肩の可動域は良好ですが、右手を前から上げる(右肩前方挙上160°)と2点(考えうる最大の痛みが10点満点として)の右肩痛があります。
さらにラケットを振るときのテイクバックのような状態(水平外転外旋)で3点の疼痛も確認できました。
これらの症状をベースラインとして評価を続けます。
まずは姿勢を矯正して保持すること1分。
さっきと同じように手を上げてみましょう
あらっ、さっきより痛くないです…
(姿勢矯正保持 B)
頚椎の可動域に制限はありません。もともとバドミントンで首も自由に動かせていたので、最初から負荷を強めにしっかりと頚椎の伸展を5回やってみます。
手を上げてみましょうか
……全然痛くないです
こちらを見ながら少々驚いたように答えられました。
さっきの痛い方の動きをやってみましょうか
これも全然痛くないです!
(RET+EXT w/op self 5回 abolish B)
姿勢、エクササイズのことなどご説明していると、
さっきまであった右肩の違和感が無くなって、今は左右全く同じ感じです!
じっとしているときの違和感すら変わったことを自覚されました。
それから10日後。
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(このお話は続きも含め、イラストや解説付き電子書籍でご覧いただけます)
このお話は電子書籍の自著「マッケンジー法・症例ノート・#3」でご紹介しております。
ご意見の多かった、「動き方がピンとこない」とか「専門用語がわかりにくい」などといったことに配慮し、動き方をわかりやすくイラストにして配置し、専門用語についても、可能な限りそのページ内の欄外に配置してページをあちこち探さなくても読み進められるようしています。
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