2年ほど前から感じている左足の裏の痛み、だんだんと広がってきました
整形外科専門医であり国際マッケンジー協会認定セラピストでもある私がどのようにマッケンジー法による患者さんの評価・治療を行うのかをご紹介するマッケンジー法・症例ファイル。
今回は左足底の痛みで来院された60代男性のお話です。
2年ほど前からあまりこれという思い当たることもなく右足裏が痛くなりました。半年くらい前までは朝起きたときは何ともなくて、日中にだんだんと悪くなることの繰り返しでしたが、この半年は朝起きたときも多少痛みが残っていて、午後から悪くなる状態が続いています。ある基幹病院の神経内科、整形外科にかかったところ、症状は坐骨神経痛ではあるけれどMRIなどの画像には異常がないと言われたそうです。一時、大量のリリカ(プレガバリン)を飲んでいたのですがが、その頃は足の感覚がなくなっていて、他科の疾患でかかっている先生に診てもらった際に、リリカの量があまりに多すぎるのでと少しずつ減らされ、現在は75mgを1カプセルのみ服用しています。その後、基幹病院からあとは近くの整形外科にと紹介され、その整形外科での治療が難しいとの判断で漢方診療の医師に回され、漢方診療を開始されました。その医師がたまたまマッケンジー法の事を知っていたため当院へ紹介されたという長い経緯があります。
お仕事は数年前まで営業で車の運転が多いお仕事でしたが、今は事務職で座りっぱなしのようです。
両大腿にも少し痛みや違和感を覚えることがあるようですが、今は右足の症状のみで座位でも右足に3点(考えうる最大の痛みが10点満点として)の痛みがあります。
座っている姿勢が悪いので、まずはしっかりと姿勢を整えて1分ほどすると、右足の違和感が少し軽減しているような感じがあると言われます。
そのまま立ち上がってみます。
立ち上がった時、ちょっと違いました
このちょっとした変化を参考に、評価を続けます。
流し台のところに移動して、流し台に腰を当ててしっかりと伸展するやりかたをご説明してまずは一回。特に問題ない事を確認してトータル10回の伸展をします。
ちょっと歩いてみましょうか
今は普通に歩けます!
(EIS流し台 10回 B)
日常生活上の注意やエクササイズのご説明をして初回評価を終了しました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(このお話は続きも含め、イラストや解説付き電子書籍でご覧いただけます)
このお話は電子書籍の自著「マッケンジー法・症例ノート・#6」でご紹介しております。
ご意見の多かった、「動き方がピンとこない」とか「専門用語がわかりにくい」などといったことに配慮し、動き方をわかりやすくイラストにして配置し、専門用語についても、可能な限りそのページ内の欄外に配置してページをあちこち探さなくても読み進められるようしています。
ご興味のある方はKindleストアでお買い求めくださいませ。