痛みのために首が傾いていて、自分ではまっすぐにできません
整形外科専門医であり国際マッケンジー協会認定セラピストでもある私がどのようにマッケンジー法による患者さんの評価・治療を行うのかをご紹介するマッケンジー法・症例ファイル。
今回は突然首が痛くなった10代女児のお話です。
急性腰痛症(ぎっくり腰)のマッケンジー法による評価・治療なら聞いたことがあるけど急性頚部痛にマッケンジー法?と思われた方もいらっしゃるでしょうか。
マッケンジー法は脊椎・四肢に対する疼痛の評価・治療法ですから、もちろん急性頚部痛も評価の対象です。
昨日の朝、髪を結んでいて急に首の左側が痛くなりました。昨日は近くの整形外科に行ってレントゲン写真を撮ってもらい、湿布、痛み止めの飲み薬を出されたのですが今日も学校で痛みが強く、早退して当院へ来ました。
そのお子さんの様子を見た外来看護師から、待合室で首を傾けて泣いているとの報告を受け、早速診察に入ってもらいます。
痛みのために右に首が傾いた状態で、あまりに痛いためどの方向にも動かせません。
そういう間にも目には涙が…。でも、焦りは禁物ですね。前医でも撮影されているようですが、念のため単純X線写真の確認も行い斜頚がある以外は問題ないことを確認しました。
まずはゆっくりと自分のペースで診察台の上に仰向けに寝てもらいます。そのままでは首が痛いので、タオルで低い枕を作り、痛みが軽くなるようにしながら様子を伺います。
少しずつ自分でできる範囲でいいから、ゆっくりと左を向けるかな?
少しずつ…正面からさらに少し左に…
ゆっくりと少しずつでいいから……痛い時には無理せずに教えてね…
細かく声をかけて様子をうかがいつつ、評価を進めます。
そしてさらに左に…と少しずつ左側を向けるようになってきました。
そして最終的に左いっぱいのところまで向けました!
それじゃ、ゆっくりでいいから起き上がってみようか?
恐る恐る…起き上がると…
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(このお話は続きも含め、イラストや解説付き電子書籍でご覧いただけます)
このお話は電子書籍の自著「マッケンジー法・症例ノート・#12」でご紹介しております。
ご意見の多かった、「動き方がピンとこない」とか「専門用語がわかりにくい」などといったことに配慮し、動き方をわかりやすくイラストにして配置し、専門用語についても、可能な限りそのページ内の欄外に配置してページをあちこち探さなくても読み進められるようしています。
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