case_131 腰痛・膝痛・肩痛

長距離のウォーキングの後に持病の腰痛が悪くなり、左膝の痛みもあります

整形外科専門医であり国際マッケンジー協会認定セラピストでもあるがどのようにマッケンジー法による患者さんの評価・治療を行うのかをご紹介するマッケンジー法・症例ファイル。
今回は長距離のウォーキングイベントに参加した後、持病の腰痛が増悪したという70代男性のお話です。

糸島は「島」がつくんですが、実は半島。福岡市内からももちろん陸続きです。

自然に恵まれた糸島半島を一周するウォーキングのイベントに参加した際に、以前からあった腰痛と左膝痛についてウォークの仲間と話したところ、当クリニックの受診を強く勧められ受診されました。

数年前にかかった整形外科の病院では腰椎椎間板ヘルニアと診断を受け、1年ほど投薬を受けていたこともあります。

とはいえ、40km以上もあるようなコースのウォークができるお元気な方です。
何年も前にある消化器系のガンを患って治療を受けておられ、すでに根治と言われています。

姿勢は猫背で、姿勢を矯正して保持すると左肩に軽い痛み、左中指・環指にしびれ感が出ますが、まただらりとすると痛み、しびれは速やかに消えてしまいます。

単純X線検査では、年齢相応の変形などがありますが、特に動かして問題になるような病変はありません。

腰の動きをみてみると、屈曲・伸展(前かがみと腰をそらす動作)ともに重度に制限されています。

姿勢を矯正保持することが自力では難しそうですので、まずはうつ伏せで肘をついた状態を保持する姿勢(パピーポジションと呼びます)をしばらく続けてみます。
これだと特に痛みが強くなることもないようです。

この後、さらに負荷を上げていくことも悪くないのですが、高齢で背骨の動きが悪い、体の硬い方で負荷を急激に上げることは場合によっては問題を生じることもあります。

今回は比較的お近くにお住まいで、数日後にまた来ていただけるとのことですので、姿勢を整える練習(slouch-over-correct)とうつ伏せで肘をつく姿勢(puppy position)を保持することだけを宿題にして初回評価を終了しました。

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