case_130 胸痛

ラグビーをしている少年ですが打ったりした記憶がありません

整形外科専門医であり国際マッケンジー協会認定セラピストでもあるがどのようにマッケンジー法による患者さんの評価・治療を行うのかをご紹介するマッケンジー法・症例ファイル。
今回は胸の左側が痛くて来院した11歳の男児のお話です。

2日前の昼間に、ふと息を吸う時に胸の左側が痛いことに気づきました。その痛みがだんだんと強くなってきたようです。
普段からラグビーをしている少年ですが、特にタックルを受けたりした記憶もありませんし、痛くなる直前まで運動などもしていません。

痛みのある部位を確認すると、左前胸部の下のあたりの肋骨を押すと痛みがあります。
深呼吸をしても同じ部位に響き、両側から胸郭を圧迫すると介達痛(痛いところを直接に触らず間接的に負荷がかかる時に起こる痛み)もあります。

このような症状はちょうど肋骨骨折などの時にみられます。

しかし、今回、痛くなる前に打つ、ぶつかるなどの外傷はなかったようです。念の為、肋骨の単純X線検査も行いましたが、骨折はもちろん、腫瘍などの骨が破壊されているような所見もありません。

座っている姿勢は非常に悪く、猫背です。

姿勢矯正を行ってみると、左胸の痛みが出ますが、だらりとするとまた痛みは消えます。

(姿勢矯正保持 P-NW)

脊椎の関連を疑わせる動きに伴う変化がありましたので、引き続き、姿勢を整えて左に体をひねる動作を一回してみて、特に問題ない事を確認して5回繰り返してみます。

佛坂
佛坂

胸の痛みはどう?

D男くん
D男くん

少しいいかも……

(LROT in sitting w/op self 5回 B?)

同じ動きをさらに繰り返して改善傾向があることを確認し、初回評価終了し宿題は座った状態で左に体をひねるエクササイズにしました。

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(このお話は続きも含め、イラストや解説付き電子書籍でご覧いただけます)

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ご意見の多かった、「動き方がピンとこない」とか「専門用語がわかりにくい」などといったことに配慮し、動き方をわかりやすくイラストにして配置し、専門用語についても、可能な限りそのページ内の欄外に配置してページをあちこち探さなくても読み進められるようしています。
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